人は味蕾(みらい)という器官で味を識別します。
多くの方は味を認識するのは舌だけだと思っていらっしゃいますが、実はこの味蕾は舌以外にも存在します。
数は少ないですが軟口蓋というお口の天井の奥の方の柔らかい所や、喉の天井にもあります。
味蕾が感じられるのは「塩味(塩など、体液バランスを守るミネラル)」「甘味(ブドウ糖など、エネルギー源)」「旨味(グルタミン酸ナトリウムなど、身体を作る)」「酸味(クエン酸など、腐敗への警戒)」「苦味(カフェインなど、毒物への警戒)」の五種類だけで、その組み合わせで味を感じ取っています。
意外なことに「辛味」は味蕾で感じる「味」ではなく痛覚で感じる「痛み」です。一般的に、それぞれの味は舌の異なる部分で感じると言われています。「舌の奥で苦味」「その手前の両脇で酸味」「更にその手前の両脇で塩味」「先端で甘味」という風に分けられているという考えです。しかし、これは誤りで、舌の全ての部分で全ての味を感じる事が出来ます。
そんな味蕾がお口に有っても、食事を美味しく摂れない場合があります。それは、舌の上に舌苔という白い汚れが多く付着している場合です。元々この舌苔は細菌や食べかす、粘膜のかすが舌に付着したものです。舌の細胞は空気に触れると白くなるのである程度白い状態は当然ですが、多く付着すると口臭や味を感じにくくなる原因になります。疲れていたり体調が悪い時、舌苔は増えます。舌苔の掃除には歯ブラシではなく舌ブラシを使います。
またキウイフルーツ由来成分配合タブレットが舌苔除去に有効であるとの報告もあります。興味のある方は定期健診の際に衛生士にお尋ね下さい。
彩都西歯科クリニック
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