
「むし歯を削るだけだと思っていたのに、何回も消毒に通わされる……」
「痛みはないのに、いつまで治療が続くの?」
歯医者さんに通っていて、このように感じたことはありませんか?
「根管治療」を受ける多くの方が、一般的なむし歯治療の少し長いバージョン程度に捉えています。
しかし、根管治療は単なる虫歯治療とは全く別物です。
例えるなら、「古くなった家の基礎を、地面の下から作り直す大工事」のようなもの。
今回は、根管治療がなぜ重要なのか、そしてなぜ時間がかかるのか、解説していきたいと思います。
根管治療とは、むし歯が歯の内部にある「歯髄(しずい)」という神経や血管の通り道にまで達してしまった際に行う治療です。
一昔前なら抜いていたような深いむし歯でも、根管治療によって歯の根っこ(根管)をきれいに掃除し、殺菌することで、自分の歯を抜かずに残せる可能性が高まります。
抜髄(ばつずい): 汚染された神経を取り除きます。
清掃・拡大: 根管の中を専用の器具(ファイル)で掃除し、薬剤が行き渡るように形を整えます。
洗浄・消毒: 根の中を徹底的に洗浄し、細菌を死滅させます。
根管充填(こんかんじゅうてん): 細菌が入り込まないよう、ゴム状の薬剤などで隙間なく密閉します。
土台・被せ物: 最後に被せ物をして、歯の機能を回復させます。
「昨日も消毒したのに、今日もまた消毒?」と疑問に感じる方も多いと思います。
根管治療に時間がかかるのには、医学的な裏付けがあります。
歯の根っこは、単なる一本の管ではありません。
網目状に枝分かれしていたり、急カーブしていたり、非常に複雑な形状をしています。 この「複雑な迷路」の隅々に潜む細菌を、直径0.1ミリ単位の器具を使って手作業で取り除くには、物理的に時間がかかるのです。
根管治療の最大の敵は、目に見えない細菌です。
一度の消毒ですべての菌を死滅させることは不可能。
薬剤を根の中に詰めて、数日間〜1週間ほど置いて反応を見るプロセスを数回繰り返すことで、ようやく無菌に近い状態(無菌化)を作ることができます。
「痛みが消えたからもういいや」と通院をやめてしまう方がいますが、これは最も危険です。
痛みがないのは神経を取ったからであり、根の中に細菌が残っていれば、数年後に「根尖性歯周炎」という重い疾病を引き起こし、結果として抜歯せざるを得なくなります。
根管治療は、歯科医師の技術だけでなく、患者さんの協力が不可欠な「共同作業」です。
治療途中で放置すると、仮の蓋が劣化して隙間から再び唾液(細菌の塊)が入り込みます。
せっかく綺麗にした根の中が再感染すると、治療は最初からやり直し。
最悪の場合、歯が割れて抜歯するしかなくなります。
根管治療で使う薬剤には「有効期限」があります。
適切な間隔で通院することで、治療の効率は最大化されます。
根管治療は、お口の中で何が行われているか見えにくいため、患者さんにとって不安を抱えやすい治療です。
「今、どの段階の治療をしているのか?」
「あと何回くらい通う目安か?」
「治療後に痛みが出たが大丈夫か?」
このように感じたら、遠慮なく担当医や歯科衛生士に質問してください。
私たち歯科スタッフは、患者さんの疑問に対して説明を尽くします。
根管治療は、確かに通院回数が多く、根気が必要です。
しかし、ここを乗り越えれば、「自分の歯を残す」というプライスレスな価値が手に入ります。
インプラントや入れ歯も進化していますが、自分の歯に勝るものはありません。
今の通院は、10年後、20年後のあなたが美味しく食事をするための大切な投資です。
焦らず、一緒に完治を目指しましょう。
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